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moon
赤い満月の下
アイツは牙を剥いていた
アイツの目は
月光を纏った白銀色
紅を浴びすぎたアイツの体は
紅く黒くこびりついて
涙でも癒えぬ傷と
涙でもおちぬ染みをつくっていた
それでも
それでも
アイツはあの子を
守りたかった
あの子を紅に染めぬためなら
なんだってしよう
たとえこの先に
絶対の死が
訪れようとも
あの子さえ
無事ならば…
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