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monochrome Alice
堕ちる堕ちる
色もくそもない世界で
どちらが
上で
下で
右で
左なのかわからない
チリン…チリン…
一陣の風とともに
私の肩に乗っかった黒猫
目は瞳の奥の奥まで真っ白
体は奥の奥まで漆黒
チリン…
尻尾がゆらゆら揺れて
さきっちょの鈴が凜と鳴る
チリン…
チリン…
チリン…
規則的に鳴るその涼しげな音色に
瞼が重くなる
意識も重くなってきて…
二つとも抱えきれないほどに
重たくなったその刹那
理から外れたような
何ともあっけない最期が来た
――私のかわいいチェシャ猫さん――
――白うさぎを追いかけましょう?――
見覚えのある黒猫
――チェシャ猫
首をなでているのは…
可愛らしい少女
簡素なメイド服に身を包んだ―――
辺り一面
深紅の海
妖しく艶めかしいその綺麗な唇は
言の葉を紡ぐ
――腐った世界に――
――恩返ししなきゃ――
手には大鎌
滴る深紅
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