蒼蝶

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蒼蝶

ひらり ひらり 記憶に鮮明な 蒼髪の彼が 目の前を舞う蒼蝶に 悲しいほど重なった あの頃の自分は ほんとに幸せだった 大好きな彼と 大切な仲間と 一緒に過ごした けれども 別れは唐突に 私の心を嘲笑うかのように 何の前触れもなく やってきた 彼は私達を守ってくれた お世辞にも大きくはない その小柄な体で その大きく見える背中で 独り 目を瞑った その瞼はもう開くことはなかった 蒼蝶が私の鋼鉄の指先に ふっととまる ホワイトレザーの上 涙が ころりと 滑り落ちた
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