硝子の迷路

金と人

お金好きな人間がいた。
一年中お金を抱きしめながら過ごした。一年中そのことを考えながら過ごした。
人間が好きな人間がいた。
一年中友達や、恋人の為に自分の予定をかえ、一年中他人の為に動き過ごした。

ある日お金好きと人間好きな人間はどん底に落ちた。

恋人が死んだのである。

二人とも同じ人間と恋愛をしていたのである。

金好きは同じ人間を作ろうとした。

人好きは似た人間を探した。

ある日、金好きが作り出した人間に人好きは恋をしたのである。

人好きの暖かさに惹かれ造られた彼女は金持ちのもとをさった。

金持ちは独りぼっちになった。

何年も同じ事を繰り返したが彼の好きな彼女の姿をした塊達は笑いながら彼をみていた。

いつのひか金持ちは金持ちではなくなった。