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金持ちでなくなった金持ちは娘を何度も何度も口説いた。
だが娘は返事はいつもしかなった。
娘はいつしか女性へとかわっていた。
金持ちはいつしかただの病人になった。
看病をしてもらううちにいつしか、娘を口説く事をやめた。
嫌いになったのではない。
むしろ、娘の未来を想い娘を拒んだのである。
以前と同じ一人になったが不幸ではなかった。
そして二日後に死んだ。
娘はいつしか、村の若者と結婚し、子供ができた。
もう老人の事を忘れていたあるひ、子供が老人の家を探検に入り骨を見、それを聞きようやく思い出したのだ。
家はもうボロボロだった。
骨の握っていた写真には娘に似た女がうつっていた。
裏にはこうかいてあった。
『長い間夢を見すぎて私には何も残らなかった。
が、物に溢れていた頃よりもまだ幸せかもしれない。
だから、私を最初に見つけた者にお願いする。
この写真の女性に似た人がいたならばこの土地を半分やってくれ。
そして、あなたには半分あげよう。
私はこの歳まで人を信用したことはないのだが、今は信用している。』
娘は涙していた。
何年か経った。
もう家は古ぼけていたが周りには麦が毎年豊作で実った。
今年も
来年も
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