プロローグ

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初めてゆぅちゃん先輩を間近に見たのは雨の日だった。 私は下駄箱でにわか雨が止むのを待っていた。 ゆぅちゃん先輩はいつも一緒にいるお仲間さん3人と、何が可笑しいのかゲラゲラ笑いながらやってきた。 そして激しいにわか雨を眺めてからゆぅちゃん先輩のお仲間さんが私に声をかけた。 「ね-、結構前から降ってた?」 直接ゆぅちゃん先輩に声を掛けてもらったわけでもないのに、私は緊張のあまりに顔を縦にふるだけしか出来なかった。 「ふ-ん…そっかぁ-」 「邪魔くせーなーおぃっ!ゆぅー走って帰るか?」 「いっそパンツまで濡れて帰っかーっ」 ゆぅちゃん先輩はニヤリと笑い先頭きって走っていった。 ゆぅちゃん先輩の声を初めて間近に聞いた。
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