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俺はすぐにオフクロに駆け寄り傷を見た。
オフクロの腹には縦に包丁が刺さった傷がありそこらは血が流れてきていた……‥
動転する気持ちを押さえながらすぐにタオルで傷口を押さえるようにオフクロに言った。
その時
今も忘れないオヤジから出た言葉があった。
『自分の腹なんか刺しやがって!何考えてんだこいつ!』
その言葉を聞いた瞬間―
勝手に体が動いていた。
右手の拳でオヤジの顔を振りぬいていた。
そしてソファーに吹き飛んだオヤジに怒鳴り散らしていた。
オヤジはソファーにもたれながらも俺に殴りかかろうとしてきた。
その時
『やめて!』
オフクロのその言葉で我に返り出掛けていた姉ちゃんに連絡を取り車で病院まで連れていった。
休日だったので緊急の治療場へ向かった。
中へ入ると様子を見た看護婦がすぐに駆け寄ってきた。
『どうしました?』
『腹に包丁が刺さりました。』
『何かあったんですか?』
答えられなく戸惑っていたらオフクロは
『…‥‥自分で刺しました』
とつぶやいた。
看護婦は頷きオフクロは治療室へと運ばれていった……‥
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