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学校が終わっていつものバス停でみんなでタバコを吸っていた時、突然携帯が鳴った。
送り主は……‥オフクロだった。
『大変な事になったから電話できたら電話して!』
?? …‥なんだろ??気になってすぐ電話をかけた。
呼び出し音が1回にも満たないくらいでオフクロはすぐにでた。
『なしたぁ??』
『太一…‥お父さんの銀行が破綻して今夕方のニュースで流れてるよ』
当時、景気がよくなく大手の銀行でさえ破綻するのは珍しくなかった。
でもまさかオヤジの銀行が潰れるなんて考えてもいなかった。
すぐに家に帰りオフクロとニュースを見た。
……‥間違いない。
オヤジの銀行だ。
けど高校生の俺にはどうなってしまうのかなんてわかるはずもなかった。
オヤジの銀行に電話をするとオヤジは
『大丈夫だから。ニュースは大袈裟にしてるけど大丈夫だから』
と言った。
俺はそれを聞いて安心していた。
なぜなら今までオヤジが『大丈夫』と言う時はほんとに大丈夫だからだ。
しかしオフクロは不安を隠しきれない顔をしていた。
今考えるともしかしたらオフクロはこの時にもう直感していたのかもしれない…‥
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