絆

崩壊

俺は自分の部屋でﾀﾊﾞｺに火をつけ静かに色々考えていた。　　　　　　　　　　

昔ガキの頃家族でｷｬﾝﾌﾟに行った事、遊園地に行った事…‥‥

『……‥なんでこんな事考えてるんだ？』　　　　　
そう思ってた時にﾄﾞｱ越しにｵﾔｼﾞとｵﾌｸﾛの怒鳴り声が響いてきた。

『話するって言っても結局また始まったな』　　　　　　　　　　　　　　　　
最初はそう思ってた。

でもその日はなんだか口調や声のあげ方がいつもと違ってた。

気になりながらﾀﾊﾞｺの火を消した瞬間――

『……………‥ってるのよ！！』

ｵﾔｼﾞの悲鳴にも似た声が家にこだました。

次の瞬間には部屋のﾄﾞｱを開けﾘﾋﾞﾝｸﾞに立っていた。

ﾘﾋﾞﾝｸﾞには険しい表情で立ち尽くしたｵﾔｼﾞの目の前にｵﾌｸﾛがうずくまっていた。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　……‥自分の腹に包丁を刺した状態で……………‥。