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いつもなら姉の帰りを待ちながら入浴と歯磨を済ませ、リビングでゆっくりとした時間を過ごしてから部屋に戻る。
だが、どうしても今日ばかりは、もうこの部屋から外に出る気分にはなれなかった。
母が紳士に対して余計な詮索はしないことも、ましてやこの部屋に勝手に入り込み、机の引き出しを開けることなどしよう筈が無いことは良く分かっていた。
しかし、どうしても今日は、朱鳥紳士の考え得る最も厳重な警備を持って、花びらの秘密を死守したいという思いが強かった。
それはこの少年の中で、ある種の使命感とも呼べる感情にまで高まっていたのだった。
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