プロローグ

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 俺は駐輪場に自転車を置き、そのまま体育館へと入り、校長の大して面白くもなんともない長話を右から左に受け流し、配属されたての一年三組に足を踏み入れた。  しかし数分後、緊張やらなんやらで急にトイレに行きたくなった俺は、慌て教室を出てお目当てのトイレに駆け込んだ。  で、きれいさっぱりすっきり爽快になって外に出たわけだ。  さて、ここでひとつの問題が起きた。  ――教室が何処にあるかわからない。  まさか教室からトイレへの距離でさえ覚えられないなんて思ってもみなかった。  俺ってそんなにアホだったのか?  いやいや、待てよ。よく考えろ、俺。  俺は学校に居たんじゃなかったっけ?  ――古い屋敷のエントランスを思わせる部屋に俺はいた。
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