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世俗カンタータ
窓から注ぎ込む光を浴びて、私は思索する。
やわらかな黒髪の、青いあなた…やっと手に入れたと思えば、違うほうをむいているあなた…
あなたは毎週日曜日になれば、ここへやってくる。
そして、私の話に熱心に耳を傾け、時に涙し、時に微笑む。
ああ!
罪深き欲求。
あなたの美しい髪に触れたい。
あなたと見つめ合いたい。
あなたの背中を抱きたい。
その薄っぺらな胸の、鼓動をこの耳に聞ければ!
頬をそっと撫でてみたい。
形のよい唇…
その吐息を止めてしまいたい…
あなたは私の子供を産むのだ!
白い足をつつむ黒い靴、ああ、私はその黒い靴になりたい。
彫刻のような美貌、あなたを彫った、偉大なる両親に幸あれ。
今日は日曜日である。
例によって、あなたは私の住まいにやってきたー私の話を聞くために。
静かなのに、やけに騒々しく思われる、あなたの仲間たちが出て行けば、壮麗な光のなか、私たちは二人きりになれるのだ。
「ずっとあなたを見ていました。
たとえあなたが何であっても構わない!
抱きしめたい、あの書物はうそつきだ、私はあなたがいれば幸福なのだから…
」
私がその細い肩にふれたとき、あなたは震えていた…
怯えるその瞳、可憐なあなた、その姿をみる快楽、もう立ち止まることはできない…ー
「好きだ、愛している、あなたがここに来る限り、私がここにいる限り、私の思いは遂げられない。
どうか二人で出て行こう。
あのゴンドラで、相思相愛の夫婦となるのだ!
あなたは私を信用している、信用とは愛なのだ、抱かせておくれ、なんと、かぐわしい…」
あなたはやっと心を開き、私をとろけた眼差しで見た。
真面目で、ご立派なあなたと、真面目で、ご立派な私。
なんと素晴らしい二人だろう!
『法衣なんて早く脱いでしまって?
愛しい私の親父さま、私が、あなたのマリア様になるわ』
ステンドグラスの光が、白い肌を青く照らし出していた…
我が胸に十字架のある限り、愛し合う我々は罪人なのである。
「この罪が許されますように…」
アーメン
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