幼少時代1

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痛さと怖かったことにわんわん泣いている私を二段ベッドの上から指さして笑っている当時のお姉ちゃん。 そんな私の声を聞いて駆け付けたお母さん。 お母さんは泣いている私を慰めながらお姉ちゃんに事情を聞きました。 聞かれたお姉ちゃんは、お母さんにあろうことかこんな事を言いました。 「蒼依ったらね、私が危ないから止めなって言ったのに保育園の鞄に跨って遊んでたんだよ。それで鞄の紐が切れて落ちて泣いてんの」 はっ?いや、違うから! お姉ちゃんがやれって言ったんだし……。 今だからこそ言えるけど、同時まだ幼かった私は痛かったのと怖かったことでそんなことを言う暇がありませんでした。 逆にそんなことを言う保育園児なんて嫌ですね。 でも、泣いていた当時の私にもそれが嘘をだと言うことくらいは分かりました。 私が自分でそんな危ないことをする訳がありません。 当時の私は、高い所から落ちるなんていうのが怖くて嫌でした。 お母さんは何とも言えないような顔で私とお姉ちゃんを見ながらその部屋を去って行きました。 残された私は未だ泣きやまず、お姉ちゃんをじーっと見ていました。 お姉ちゃんが笑っていたのは言うまでもありません。これが最初にあった出来事。 普通は心配したりするもんだろう、と思うのですが当時のお姉ちゃんには面白いという感覚しかなかったんだと思います。
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