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『マユ…自分のことばかりで、りょうくんのこと考えてなかったよね…。』
『自分勝手すぎるよ』
涼太は、吐き捨てるように言った。
『ごめんなさい……』
涼太は、下を向いているマユをちらりと見た。
『こんなこと言うの、カッコ悪いんだけどさ。』
涼太は、前置きをしてから続けた。
『正直、寂しかった。俺は、マユにとって軽い存在なのかって思った。マユはどんどん先に行って、俺だけ置いて行かれてるみたいでさ。』
『りょうくん………』
マユが顔を上げると、少し寂しそうな笑顔を浮かべた涼太の顔があった。
『マユ』
涼太は、目を合わせたまま言った。
『………はい』
『放置したバツ!俺をぎゅってしろ!』
涼太は、そっぽに顔を向けながら言った。
マユは、小さく笑ったあと、“ごめんね”という気持ちを込めて、涼太を抱き締めた。
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