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『りょうくん、話があるの。』
マユは、強い意志の現れた表情で言った。
『うん…………』
涼太は、何かを悟ったように、ベンチに腰かけるマユの隣に座った。
『話って、何?』
涼太は、緊張を隠すような声で言った。
『……………彼氏、彼女じゃなくて、友達に戻りたい。』
マユの言葉に、涼太は目を見開いた。
『それって、どーいう意味だよ……』
涼太は、呆然としたまま言った。
マユは、涼太の顔を見ずに言った。
『他に好きな人ができたとかじゃないの。』
『じゃあ、なんで…』
『このまま一緒にいても、マユの為にも、りょうくんの為にもならない。りょうくんの事は嫌いじゃないよ。でも、夢があるのに動かないりょうくんは嫌い。』
『俺だって努力してる…』
『してないじゃん!!』
マユは、涼太の言葉を遮った。
『夢に近づこうとして、何をしてるの?資格を取ろうとして勉強してる?高校出たらバイトしながら勉強するって言ってたよね?バイトもしてないよね?仕事先も探そうとしてないよね?』
マユは、そこまで言うと下唇を噛んだ。
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