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涼太の足元に広がる砂に、ポツポツと染みが出来ていく。
マユは、何も言えないまま涼太を見ていた。
『なぁ、マユ……』
『………なぁに?』
『マユは、俺の全部を嫌いになったわけじゃないんだよな?』
涼太は、下を向いたまま震える声で言った。
『うん』
『時間かかるかもしれないけどさ…。俺、立ち上がるよ。また、マユに好きになってもらえるように』
『…………うん』
マユは、涙を堪えながら、微笑んだ。
『また、どこかで会えるまで……。違う人と付き合っても……。それでも、お互いを忘れられなかったり、まだ、好きな気持ちがあったら………』
涼太は、涙をぬぐいながら顔を上げた。
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