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マユは、自転車のスタンドを上げ、自転車を手で押した。
後ろは振り返らない。
マユは、下唇を噛みながら涙を堪えた。
マユは、ゆっくりと、ゆっくりと、涼太のいる公園を出た。
涼太がくれた、たくさんの思い出、大きな愛情。
涼太の事は嫌いじゃない。
好きだから、成長して欲しいから離れるだけ……。
また、いつか会えるように………。
また、微笑みあって、幸せな時間を過ごせるように………。
だから、さよならは言わない。
マユが見上げた空は、二人の門出を祝うかのように、真っ青だった。
= END =
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