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『………マユ。』
『は、はいっ…』
『それ、本気で言ってる?』
『本気だよぉ…』
同じクラスになってから、ずっと好きだったよ…。
『…本当に?』
『うん、本当だよ。』
『…………』
二回目の沈黙に、耐えきれなかったあたしは、涙を堪えきれなかった。
『……うっ……うぅ……』
『………俺もだよ。』
『………え゙っ。』
涙は一瞬にして消えた。
『何だその反応は…。まぁ、今は後ろに兄貴がいるから言えないけど、後でちゃんと言うから。………やっぱちょっと待ってて。』
カタンと受話器を置く音がして、後ろで小さく秀哉の声がした。
『あっちいけ!』
『なんでだよ~』
『いいから!行け!バカ兄!』
『てめ~、バカとはなんだ、バカとは!』
『うるせぇ!とにかく来るな!』
バタン!!ドスドスドスドス……
さっきまで泣いていたのに、秀哉と秀哉のおにぃちゃんのやりとりを聞いているうちに笑顔になっていた。
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