23人が本棚に入れています
本棚に追加
農作業でがっしりし、黒々と焼けた体。多分、初めて見た人は、誰も、この人が70過ぎだと分からないだろう。
沸騰したお湯をコーヒーメーカーに入れると、店内にコーヒーの薫りが立ちこめる。
きっちりカップ一杯分のコーヒーを、誠は、源さんの前に置いた。
「お待ちどおさま」
「おう。ありがとよ」
そう言って、源さんが、ずずっとお茶を飲むように、コーヒーをすする。
「く~、うめぇ。いつ飲んでも絶品だなぁ」
「豆が特別らしいですからね」
旅先で意気投合したという村から、特別に分けてもらっている豆で淹れるコーヒーは、誠も、絶品だと思っている。
最初のコメントを投稿しよう!