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そう言って、源さんは、コーヒーを再び、ずずっとすすった。
「じゃあ…あとは、"あれ"だけか」
源さんの視線の先にあるのは、一台のミキサー。
「え? ああ、"あれ"は、無理ですよ」
源さんの言いたい事を察して、誠が首を横に振る。
「作る気はねぇのか? 特製の"ミックスジュース"は」
「あれは、店長の専売特許ですから。飲みます? ストック、まだありますよ」
「いや。俺には、もったいねぇ代物だよ」
「そんな大袈裟な」
「大袈裟じゃねぇって事は、おめえさん自身も分かってんだろ?」
にやりと意味深に笑う源さんに、誠は、曖昧に頷いてみせた。
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