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流行りの病気になった魚達はあと二匹になりました。
ハリーくんは朝、仕事にいく前に鏡で確認しました。
「今日、僕は死んでしまう」
ハリーくんは知っていました。
自分の針が全部なくなると、自分の命が消えてしまうこと。
病気の二匹を治せばみんなに光りを見せてあげられること。
そして、自分の針があと二本しかないことを。
ハリーくんは大きく深呼吸をすると、最期の仕事へと向かいました。
「ハリーくん。体が重たいんだ」
何も知らない患者に、ハリーくんは笑顔で接します。
そして二本しかない針のうちの一本を注射しました。
すると患者は元気になり、ハリーくんにお礼を言いました。
「ハリーくん。ありがとう」
「ありがとう」
ハリーくんは小さく“ありがとう”と返して言葉を繋げます。
「みんなを集めて。いろいろいわなきゃならないから」
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