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二人は気付かれないようにゆっくりと小児科を出ようとする…。
すると奥から声が聞こえた
「お腹が痛いの」
だが、その声は外見とはほど遠い…まるで死にかけのおじさんのような声だった…
背筋がゾッとしたが、きにせず優花と二人で小児科の部屋のドアへ向かう…
「お腹が痛いの」
優花がドアに手を伸ばしたそのとき…
「お腹がないの」
直樹のすぐ後ろ…
さっきまで奥にいた男の子が立っている―
「逃げろ!」
直樹は叫び、優花は小児科から飛び出した。
直樹も飛び出し、二人で廊下を走る。
「なんなのよあの子!」
優花が走りながら直樹に聞く。
直樹は答えるかわりに後ろを振り返った。
男の子は追ってくる気配はない…
「とりあえず病院から出よう!」
優花は頷き、出口をさがすことにした。
「ここを真っすぐいくと俺が入った裏口がある。」
二人は後ろを気にしつつ裏口へ歩いた。
ガチャ…
「よしっ!開いた!」
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