AM1:10

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二人は気付かれないようにゆっくりと小児科を出ようとする…。     すると奥から声が聞こえた    「お腹が痛いの」     だが、その声は外見とはほど遠い…まるで死にかけのおじさんのような声だった…   背筋がゾッとしたが、きにせず優花と二人で小児科の部屋のドアへ向かう…   「お腹が痛いの」   優花がドアに手を伸ばしたそのとき…     「お腹がないの」   直樹のすぐ後ろ…   さっきまで奥にいた男の子が立っている―   「逃げろ!」   直樹は叫び、優花は小児科から飛び出した。     直樹も飛び出し、二人で廊下を走る。 「なんなのよあの子!」     優花が走りながら直樹に聞く。   直樹は答えるかわりに後ろを振り返った。     男の子は追ってくる気配はない…     「とりあえず病院から出よう!」     優花は頷き、出口をさがすことにした。     「ここを真っすぐいくと俺が入った裏口がある。」   二人は後ろを気にしつつ裏口へ歩いた。     ガチャ…     「よしっ!開いた!」
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