259人が本棚に入れています
本棚に追加
堅苦しい先生の授業が終わる。
今日の話は刑法の「酌量軽減」、要は罪の軽減だ。人間と法律がどのようにバランスをとっていけるかという話を延々と聞かされる。
その物差しはいったいどこにあるんだろ?結局は人間のモラルに任せられるものじゃないのかな?裁判官の判断がホントに正しいといえるのか。所詮は人間…
法律を勉強してるくせにそれに対してはいまいち共感を得られないでいる。
「敬介ってさ…」
「ん?なに?」
隣でそれを察したのか瑞穂が話しかけてくる。
「毎日法律の授業終わると不満な目してるよね?」
「ん~、不満ってほどでもないけど…、法律が本当に人を守れてるのかなって考えちゃうんだよね。今日の話もそうだけど、もしこの女性の罪がなくなるような話があったら、多分また犯行を考えるでしょ?そしたらまた一人死人が増えるかもしれない。かといってそのまま罪が確定すれば今度は被告を守れてない。一体今の法律は役に立ってるのかが疑問だよ。」
最初のコメントを投稿しよう!