目覚め

3/6
前へ
/32ページ
次へ
「号外ー!号外ー!」 威勢の良い少年の声を聴き、村人達は外にやってきた。 「へぇ…妾の姫君が謀反ねぇ」 「とんだ女狐ね。国王を誑かして、国の税を散財、か」 「冗談じゃねぇ。税は俺らから絞った金だろうよ」 「ちきしょう!こんな奴は火あぶりだ!市中引き回しだ!」 そうだそうだと、各々が喚く。 号外は国王に娶られた女性の話題だった。 「全く…税を使うとは、国王もだらしない。」 「そうだそうだ!もっとしっかりしてもらわなくちゃ」 「でも、そろそろ年だよなぁ国王様…」 「跡継ぎ様も、色白で細くて、なんだか頼りないよなぁ。」 「いんや、そうでもねぇでよ。ありゃ意外としっかりなさっとる」 一人の老人が異を唱えた。 みんなが其方を見る。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加