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「猫はあまり感情を
顔に出さないけどね、
猫は誰よりもアリスを
必要としていて、
誰よりもアリスに
必要とされたがっているんだよ。」
『‥‥‥‥‥』
「どんな姿になっても、
猫を嫌いにならないで
やっておくれ‥‥?」
『‥‥私が‥』
『私がチェシャ猫を
嫌いになるなんてこと
‥‥‥‥絶対ないよ。』
アリスが発した言葉を聞き
安心した表情を浮かべ
"さぁ、お行き。"と一言残して
スーっと消えていった。
消えていったシロウサギの
後ろを見ると
以前、走って走って
やっと辿り着いた扉が
いつの間にか目の前にあった。
私は焦ることなく、
でもゆっくりでもなく
その扉を開いて
薄暗い通路から抜け出した。
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