chapter2

18/19
前へ
/86ページ
次へ
 「猫はあまり感情を   顔に出さないけどね、   猫は誰よりもアリスを   必要としていて、   誰よりもアリスに   必要とされたがっているんだよ。」  『‥‥‥‥‥』  「どんな姿になっても、   猫を嫌いにならないで   やっておくれ‥‥?」  『‥‥私が‥』  『私がチェシャ猫を   嫌いになるなんてこと   ‥‥‥‥絶対ないよ。』  アリスが発した言葉を聞き  安心した表情を浮かべ  "さぁ、お行き。"と一言残して  スーっと消えていった。  消えていったシロウサギの  後ろを見ると  以前、走って走って  やっと辿り着いた扉が  いつの間にか目の前にあった。  私は焦ることなく、  でもゆっくりでもなく  その扉を開いて  薄暗い通路から抜け出した。  
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!

712人が本棚に入れています
本棚に追加