痂は黒く
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ボクは月の様に真ん丸で、暖かくなりたいと思った。 そしたら、あの娘を強く優しく包み込んであげられるから。誰にも真似の出来ない暖かさで。 だけどボクには、千本の針があるから。刺々しい体で、あの娘を傷つけてしまう。 だから、月と約束することにした。一方的な誓いだとしても。 一日に一本、いつの日か消えるまで、この針を抜き続けていくんだと。
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