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「……ぐすん。」
あーあ、可哀相に。
泣いちゃった
真横を通り過ぎながら見て見ぬフリ。
助ける勇気すら無いのが今の人間
義理人情、涙すら無い街
「……お母さん…」
「………。」
何食わぬ顔で通り抜け、帰路を辿る
雨の中、家まであと2キロ程
小さい頃に良く遊んだ公園に寄る
「……腹減った。メシ食おう」
公園の中心には大きなてんとう虫
穴ボコだが、雨は凌げる構造
小さな子供の秘密基地
「懐かしいなぁ」
昔と変わらず、6時を過ぎると灯く電球
暖かい白熱灯の明かり
その中で弁当を開けて箸を割った
「………ぐす…ぐすん。」
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