拾っちゃいました。(Prologue。)

5/9
前へ
/595ページ
次へ
「……あ。」 「……っ。ごめんなさい!」 一瞬顔を覗かせたのは 間違いなくさっきの女の子。 「濡れるから中に入りなよ。」 「……すみません、お邪魔します」 少し考えた様子の女の子は入ることを決めたようだ 雨宿りなのだろうか? とか考えたが、彼女は既にズブ濡れ 「…………」 「…………。」 沈黙。 見知らぬ相手ならそうもなるか。 関わり合う気も無いから話かけるわけもない 沈黙を破ったのは間の抜けた音 女の子のお腹から発せられた空腹のサイン 「……食べる?」 「いえ、お世話になる訳には。」 赤い顔で俯いた女の子 間近で見てやっと気が付いたが 女の子の服は雨のせいではなく薄汚れていた 「もしかして、……ホームレスってやつ?」
/595ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9994人が本棚に入れています
本棚に追加