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「……あ。」
「……っ。ごめんなさい!」
一瞬顔を覗かせたのは
間違いなくさっきの女の子。
「濡れるから中に入りなよ。」
「……すみません、お邪魔します」
少し考えた様子の女の子は入ることを決めたようだ
雨宿りなのだろうか?
とか考えたが、彼女は既にズブ濡れ
「…………」
「…………。」
沈黙。
見知らぬ相手ならそうもなるか。
関わり合う気も無いから話かけるわけもない
沈黙を破ったのは間の抜けた音
女の子のお腹から発せられた空腹のサイン
「……食べる?」
「いえ、お世話になる訳には。」
赤い顔で俯いた女の子
間近で見てやっと気が付いたが
女の子の服は雨のせいではなく薄汚れていた
「もしかして、……ホームレスってやつ?」
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