3. 遊びと本気

2/9
前へ
/88ページ
次へ
「あ"ぁー…」 「…うるさいよ、金田」 明日から新学期が始まろう、という夏休み最後の補習。 終って早々、後ろの席から情けない唸り声。 教室には俺ら2人だけ、というのがせめてもの救いだ。 「だってよぉ…、もぉー、何なんだよあの人…」 「…純先輩の事か?」 後ろを振り返りそう尋ねたら、無言で頷いた。 「…ていうか川島、何で村上先輩の事、下の名前で呼んでんの?」 金田の疑問は尤もで。 純先輩には一つ上のお兄さんが居て、色々ややこしいから殆どの生徒が2人の事を名前で呼んでいる(因みにもう1人は健志先輩という)。 「お前知らなかったっけ?」 「知ってっけど、なんか嫌なんだよ。馴々しい感じがして」 金田は普段騒がしいし、チャラチャラした雰囲気あるけど、本当は真面目でヘタレで、まぁ、可愛い奴だ。 .
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

309人が本棚に入れています
本棚に追加