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「あ"ぁー…」
「…うるさいよ、金田」
明日から新学期が始まろう、という夏休み最後の補習。
終って早々、後ろの席から情けない唸り声。
教室には俺ら2人だけ、というのがせめてもの救いだ。
「だってよぉ…、もぉー、何なんだよあの人…」
「…純先輩の事か?」
後ろを振り返りそう尋ねたら、無言で頷いた。
「…ていうか川島、何で村上先輩の事、下の名前で呼んでんの?」
金田の疑問は尤もで。
純先輩には一つ上のお兄さんが居て、色々ややこしいから殆どの生徒が2人の事を名前で呼んでいる(因みにもう1人は健志先輩という)。
「お前知らなかったっけ?」
「知ってっけど、なんか嫌なんだよ。馴々しい感じがして」
金田は普段騒がしいし、チャラチャラした雰囲気あるけど、本当は真面目でヘタレで、まぁ、可愛い奴だ。
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