1. 誤算と計算

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もう夏休みだっていうのに、何故だか俺は毎日のように学校に来ていた。 理由なんて特にない、なんとなく足が向く。 それだけ。 というのが半分と、あとは…。 「村上!遅なってごめんな、待った?」 安達先生との密会が目的だ。 「…遅いよ、センセー。むちゃくちゃ待った、5時間くらい」 「ははっ!大袈裟やなぁ」 「 …… 」 「…ごめん」 勢い良く扉を開けて入って来たセンセーは、少し息を切らせて、額にはジワリと汗を滲ませながら、すまなそうに謝った。 「けど、珍しいなぁ。村上から呼び出すなんて」 いつも何考えてんだか分んない感情の無い顔に、珍しく笑みを浮かべてこっちに近付いてくる。 「何かあったん?」 台詞の割に、心配した素振りなんか一つもなく、綺麗な笑顔のまま俺の頭上に手を伸した。 「別れよ、センセー」 .
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