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「…んっ、はぁ……せん、せ…」
息苦しくなってきて、センセーの背中に回してた手で服を引っ張ったら、漸く唇が離れた。
「…村上。お前ホンマ可愛いな」
口の端から垂れた涎を服の袖で拭いながら笑うセンセーは、やっぱり妖しい程綺麗な顔をしてる。
「別れるなんて、そんな勿体ない事出来へんわ」
センセーは手足も長い。
その長い腕で俺を抱締める。
そっと腰に腕を回す、驚く程細い腰。
卑怯だ。センセーは何もかもが整い過ぎている。
「別れたいなんて、冗談やろ?」
(…冗談だと言ってしまおうか)
抱かれ心地のいい腕の中でふと扉近くに目をやった。
「 …… 」
「 …! 」
そこに居たのは、背が高くヒョロリと細い身体の男子学生。
ガッチリと眼が合った彼は、随分と端正な顔立ちをしている(と思う)
どうやら俺は、顔の良い男に弱いらしい。
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