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一歩づつ、ゆっくりと、俺は彼へと近付いていく。
「…さっきの、みてたでしょ」
真後ろに立って声を掛けたら、面白い位に肩がびくついて。
ゆっくり振り返った彼の顔は、遠目で見た時より数倍綺麗で息を飲んだ。
「ちょっと、いいかな?」
上手く生きてく為に身に着けた笑顔で問い掛ける(けど、俺は自分の笑顔が大嫌いだ)。
「………はぃ」
返事と同時に彼の手首を掴んで、タンク裏のもっと奥へと連れ込んだ。
嬉しい誤算と巧みな計算。
人生は、面白く出来ている。
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