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俺の人生の半分は遊びで出来ている。
安達センセーとの事だって勿論そうだし、今目の前に居る彼だって。
ただ、興味をそそられただけ。
そこに、愛や恋なんて感情は、ひとつも無い。
‐ガシャン‐
掴んでいた手を引いて、自分よりも高い位置にある肩を掴みフェンスに押し付ける。
「取り敢えず、名前と学年教えて」
見上げなければ合わない彼の瞳。
ずっと俯いて彷徨わせる視線を無理やり捕えて問い掛けた。
「……1年の、金田です」
「金田、なに君?」
「…哲、です」
俺は、Sなのかも知れない。
俺を見る怯えた瞳が、手の中で震える肩が、愛しくて仕方ない。
今までは、何となく支配される事が多かったけど、金田は違う。
俺よりも高くてしなやかな、この身体を支配したい。
そんな風に思えて仕方なかった。
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