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「はぁぁっ?!!な、何なんですか、突然!」
ズササッって音が聞こえそうな位後退られて、でっかい声で質問されたから
「いや、単純に興味があるんだよね、金田に。何か面白そうで」
ってにこやかに答えたら、物凄くやな顔された。
「なんすか、その理由。お互い好きでもないのに、付き合うなんて考えられないですっ」
顔真っ赤にして熱弁する金田見て、純粋な奴なんだなって変に感心したりして。
「俺は好きなんだけどな、金田の事」
「 …… 」
「…分かった!条件付けよ」
黙りこくった金田に、最後の手段としてこんな提案をしてみた。
「…条件?」
「そう。期限付き交際、ってのはどう?そうだなぁ…、3ヵ月!3ヵ月間だけの恋人」
「……3ヵ月…」
期限が来たら一切金田にはチョッカイ出さない。
俺、飽きっぽいし。必ず約束は守る。
粘って粘って粘り尽して、漸く金田は首を縦に振ってくれた。
「マジで!?サンキュー」
「3ヵ月経ったら僕には近付かない。約束ですからね」
「分かってるって」
気弱な念押しに軽く頷いて、ゆっくり金田の側に近付く。
「金田さぁ、…キス、した事ある?」
「はぁ?」
金田の肩に手を添えて爪先伸して。
「 …っ!なんっ、」
唇奪ってやった。
「じゃ、明日から宜しくねぇ~。さ・と・し♪」
ヒラヒラと手を振って去ってく俺の背中に、
「下の名前で呼ぶなっ!」
金田の声がぶつかった。
キッカケは単純な一目惚れ、始まりは複雑な条件付き。
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