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僕は、通行人の視線を感じて辺りを見渡した。 視線の先には、前を歩く一輝に注がれている。
今日の一輝は、もちろん変装なんかしてなくて。
すれ違う女の人は、一輝に熱い視線を送ってる。
やっぱり、凄くカッコイイんだよな。
長身で颯爽と歩く姿は、そこらへんのモデルなんかよりオーラがあるし。
高2で、格好よさも色気も合わせ持つなんて、不公平だろ。
だけど、この、言いようのない気持ちは何なんだろう?
一輝に注がれいる視線が、僕はとても嫌だった。
見ないで欲しい、なんて、思うことがおかしいんだけど。
どうしたんだろう?このもやもやした気持ちは。
僕は、今まで味わった事のない気持ちに戸惑った。それは、きっと、一輝の秘密を僕だけが知っている事を、他人に、見せたくないという気持ちだろうと自分で決めつけ、心の奥に押し込んだ。
一輝の家は、学校から1時間位の場所にあった。
立派な家だ。一輝は門を開いて、玄関の鍵穴に鍵を入れて開けている。鍵穴は2つあって、もうひとつにも同じようにして鍵を開けた。
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