偽りの華

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「一輝っ!!…どこに行くんだよっ!」  土曜日の昼下がり、結局何をさせられるか聞かされないまま、僕は一輝の後をついて行く。  マジで、何させる気なんだ!?一輝の奴。  この何日か、一輝の様子はおかしかった。  時間があれば誰かに電話をかけてたし、僕には何も説明さえせずに土曜日になればわかる、としか言わなかった。  何をするのか、わからないまま時間だけが過ぎ…今日、こうして寮から連れ出されたわけだ。  ほら、今もそうやって不敵な笑みを僕に向けて何も言わないんだ。  僕は、面白くなくてふて腐れた。  歩くスピードは落としたし、出来る限り顔は不機嫌そのものにした。 「チッ、しょうがねぇなぁ。俺ん家に行くんだよっ!」 「はぁ!?何、それ。僕が嫌な事するのと関係あるの?」 「あったりまえだろ。いいから、黙ってついてこい」  え!?  僕、本当にわけわかんないだけど!!  一輝の家行って、何すんのさ~~!!
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