2.仲良し

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「そういえば紗夜。紗夜はお昼食べた?」 「いや。帰りにどこか寄ろうと思ってたし」 「じゃあどっか寄ろうよ!健矢も」 「はいはい」 歩きながらそんな話をすると、直は近くのファミレスに入る。 「何でファミレス?近くにファーストフードもあったろう」 「あ~。そういうの紗夜嫌いなんだもん」 「へぇ」 名前を上げられた本人は向けられる視線を気にもせずメニューを見ていた。 直と健矢もメニューへ視線を戻す。 すると紗夜はメニューを閉じ机の上に置いた。 「紗夜、決まったの?」 「ああ」 「もうちょい待ってね」 「………」 明後日の方向を見る紗夜を見ずにそんな会話をしてメニューを選んでいく。 「……相変わらず仲いいな」 「そう?」 「そうだって。だいたい幼馴染みなんて、高校入る前にお互いの家に行き来する関係は切るだろ」 「……そうなの?」 「普通の幼馴染みはな。俺だって今じゃ連絡もとらないぞ」 「……寂しくない?」 「別に」 直は紗夜を見る。 「何?」 横目で直に視線を向ける。 「俺といるのいや?」 「別に。お前が嫌になったら切ればいいんじゃないか?幼馴染みなんて」 「俺が嫌になったら?」 「だいたい男の方からだろ?そういうの。幼馴染みでも女より男と連みたくなったらそっちに行けばいいさ」 「………」 紗夜への視線を下へ落とし寂しそうな瞳をする。 それを見ているだけの健矢。 「それより早く決めろよ。早く食べて帰りたいんだよ私は」 「ああごめん」 慌ててメニューを決める直を困ったような、少し怒ったような瞳で紗夜は見つめていた。 .
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