3.君の隣

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夕飯を済ませて一度部屋に戻ると、携帯を取り出し適当にそこら辺に置こうとするとチカチカとライトが光っていた。 メールだ。 送り主はわかっている。 一応確認のためにメールを開く。 案の定送り主は夕飯前にメールを送ってきた直だった。 内容もわかりきったような感じで、用とは一体何かを問う物だった。 「どうでもいいだろうが」 そう言葉を漏らすとお前には関係ないと送り、送り終わると同時にドアをノックされた。 「はい」 「紗夜風呂」 「はい」 ドア越しの兄の声に返事をして携帯をその場に置いて部屋を出て行く。 夜はすっかり暗くなり星が出ていた。 「夏は夜。とはよく言ったものだな」 階段を下り庭に面した廊下を歩きながら風呂に向かうところで空を見上げた。 そこで古文の一節の始めを思い出した。 「確かに、夏は夜だな」 空に瞬く星々を見上げ微笑む。 夕方のイライラした気持ちが嘘のようで、また明日も晴れるだろうと思いながら風呂へ向かう。
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