4.暇な時

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ダルい体を動かせて二階から一階へ降りていく。 「さ~よ~!」 「うるさい」 玄関の所で立って人の名前を叫んでいる幼馴染み。 睨みつけるように相手を見ながら階段を降りてくる。 「何の用だよ?こんな朝早くから」 「今日ちょっと用事あるから遊べないんだ」 「………そんなことでいちいち呼ぶな」 「ええ~」 「ええじゃない。用がないならさっさと帰ってその用事とやらに行け」 「冷たいなぁ」 「消えろ」 居間に行こうと体の向きを変えた。 すると直が出ていこうとして振り返った。 「紗夜、暇な時メールしていいからね」 戸を閉めて行った直の背中を不思議そうに眺めた。 小首を傾げて居間に入る。 台所では、母親が朝食の準備をしている。 今朝の朝食は珍しく洋食のようで、テーブルの上にはランチョンマットが敷いてある。 しかしランチョンマットは2枚しか敷いておらず、紗夜は眉を潜めた。 「母さん。今日は2人?」 「そう。お父さんもお兄ちゃんも今日は早く出ちゃったから、今日はお母さんと2人」 「ふ~ん」 テーブルの上の新聞を取りながら椅子に座った。 「パン食でごめんね。ご飯が少ししかなくなってて」 「いいよ、別に。嫌いじゃないし」 「ありがとう~」 ランチョンマットの上に目玉焼きやベーコンが乗ったお皿に、パンが2枚程乗ったお皿。 サラダが入った器が並べられていく。 「どうぞ」 椅子に座りながら母親がそう言う。 「いただきます」 手を合わせて手をつけ始める。 母親も挨拶をしてから食べ始めた。 しばらく無言で食べていたが、その無言の雰囲気を母親が先に破った。
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