第二話 いろいろ人間嫌い

3/4
前へ
/15ページ
次へ
「ふざけるな!…生きることに疲れたなら、自分で勝手に死ねばいいだろう。僕を巻き込むな」 [声を荒げた後、落ち着かせるように間を置いて『生きる~』からは冷静に] 「…したよ。何度も。でも死ねなかった。喉を掻っ捌(カッサバ)こうが眼球を潰そうが…気を失って目を覚ますと、決まって元に戻ってる」 [静かに淡々と。この台詞以降、指示があるまでシリアスにお願いします]   「貴様の一族は、皆死んだのだろう?なぜ貴様は死なない?」   「さぁ?…皆は、ありとあらゆる方法で死んでたよ。 喉を切り裂いたり心臓を一突きにしたり、頭をかち割ったり…。 なのに俺は死ねない。まるで誰かが、俺のダメになった体を取り替えるみたいに、きれいに元に戻る」   「…誰かが…取り替える…」 [何か考えるように]   「まぁ、人間じゃないし、もう半分死んでるようなものだけどねー」 [『人間じゃ~』から急に明るく] 「…赤月、青空…だったな?僕に考えがある。放課後、逢魔ヶ時に教室にこい」 [『~だったな?』までは確かめるように。そのあとは命令口調で] 「…それってつまり、今からどこか行くの?一色…」 [訝しむように] 「あぁ、糞兄貴に、色々問いただす事があるからな。家に帰る」 [飄々と] 「って、ちょっと!フェンスに乗ったら…あ………落ちた…人間だったら死ぬけど…下を覗き込んでも何も見当たらないってことは……飛んでっちゃった、のかな?」 [『~ったら』までは焦って、その後は茫然と 『飛んで~』は少しお茶目な感じで] 【一色邸】 「説明しろ糞兄貴」 [おもむろに] 「第一声がそれ?学校サボって…単位落とすわよ?」 [悪戯っぽく] 「自習だから、調べ物をしに戻ってきてやったんだ。 …その様子だと、最初から知っていたな?」 [『その~』から苛立たし気に] 「知らないで人間の群れに放り込まないわよ。 一歩間違えば大量虐殺になっちゃう」 「間違ったら世界が滅ぶんだよ。 …俺が世界を壊すには、王の駒"常闇(トコヤミ)の騎士"を揃える必要がある 時間がない、あそこに後何人いる」 [呆れたように言い『俺が~』からは焦り気味で]
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加