第二話 いろいろ人間嫌い

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「それ位はもうじき自分でわかるでしょ?全部アタシに頼ってどうするの。 …そんなんじゃ、世界は壊れないわよ、ヴァンパイア王」 [『そんなんじゃ~』からは諭すように] 「…いちいち癪に触る人間だな」 「その人間に助けられたのはどこの誰?」 「………くそ、わかったっ!僕の負けだ…確かに焦りすぎた…」 [半分悔しそうに半分自棄で] 「…最初から素直なら可愛いのに」 [ぽつり、と] 「うるさい……アレは、恐らく"祭壇の王"だ。何をしても死ねない人間…。今日接触してきた、間違いないだろう」 [一蹴してから] 「してきた?向こうから?………ぁ、もしかして赤月くん?」 「……知り合いか?」 「いや、全然。ただ、あの子は紅月(コウゲツ)の末裔だから…」 [語尾はフェードアウトする感じで] 「ちょっと待て!本物にどこまで知ってる?貴様、何者だ?」 [遮って待ったをかけ] 「ぇ、ぁー…こ、校長先生が…」 [言い訳するように] 「ただの人間が知るわけないだろ」 [畳み掛け] 「じ、じゃぁ担任の…」 「担任は人間じゃないのか?」 [追い打ち] 「うっ…はぁ、わかったわよ。帰ってきたらね」 [観念して] 「…まぁいい、本題に戻す。僕は今日"祭壇の王"を駒に転換する。駒に落ちれば、王の存在が消えた分子はその存在も消滅するだろう…。 祭壇の王の分子を書き換えてほしい。逢魔ヶ時までに」 「"分子"の書き換え…容易じゃないわよ?"例の王"ならともかく…」 「…アイツはまだ早い。 人間でいないか?遺伝子を操作し、且つ後遺症もなく気付かれることなく事を運べる医師…"こちら側"を知っていれば尚いい」 「んー……じゃ、アイツに頼んでみようかしら」 [少し考えてから] 「……いるのかそんな人間」 [意外そうに] 「何よ、いてよかったでしょ?」 「いや、兄貴がやるのかと…」 「アタシはそんな化け物じゃないわよ!」 [失礼な!と言わんばかりに] 「じゃ、任せたぞ?僕は儀式の準備をする…あ」 [最後に思い出したように一声] 「何?忘れ物?」 「あぁ、帰ってきたら、絶対に正体明かしてもらうからな」 [念を押し退室] ―パタン― 「……教えなくてもわかるんだけどな、"祭壇の王"を駒にしたあとは ……さぁて、百鬼(ヒャッキ)に電話でもすっかなー」 [普通の男らしい(?)口調に戻し]
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