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「これが『A山山荘虐殺事件』の真相、って訳だ。」
いよいよ雄磨は話を信じられなくなっていた。
「だ…だがあの事件は山荘にいた中年男が犯人ということで済んだんじゃあなかったかい??」
「うん。よっぽど彼は運が悪かったんだろう。なんせ彼は山荘に居ただけだからね。」
「ん…どういうことだ??」
「説明しよう…あ、ビール頼むよ!!」
彼は店員に注文した。
「つまり現場には雪奈とその友人3人、そして中年男が山荘の中にいた。友人3人は目撃者だがその証言がおかしい。男は酒に酔っていて彼女達が来たことさえ気付かなかったという。」
フッと彼は笑った。
「完璧じゃあないか。男以外に犯人はいないさ。実際男は酔い癖が悪くて、自分がやったかも知れない、などと言い出したんだからね。」
雄磨はブルッと身震いした。
「それで…弓彦とかいう君の友人は…??」
「奴はまだ生きてるんだなぁ!!何せこれが面白いんだが、雪奈が死んだと知った時、奴は発狂したんだよ。今もまだ病院さ。今話せるのは『ドアだ…蝶だ…』とこれだけらしい。」
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