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「好きな人ができない?」
それは中学1年生の頃だった。
家から学校までの距離が1kmほどあったため近所だった俺たちはいつも一緒に帰っていた。
思春期でそれなりの知識がついた初々しい時期に快にそんな告白をされた。
いや、されても困るんだけど。
「そりゃ、まだ俺ら中1だぞ?本気な恋は大人からだろ?」
「そういうもんなのかぁ?」
「いや、そういうもんだろ。普通は」
「オレ、ふつーじゃねぇし」
「なにが?」
「ナニが」
ニヤけた顔でその時の俺はまだそんな会話が新鮮だった。
まぁ、小学生の時の少々していたけど慣れてはいない時期だった。
「なに顔真っ赤にしてんだよー。はずかしー」
「し、思春期の健全な男の子にそんな話を持ち出すな!」
「男の子って……やべーツボった」
そんな俺をみて快は腹を抱えて笑う。
ムカついたから一発殴ってやった。
「話が反れた。で……な、な、ナニがどうしたんだって?」
言葉にも出すでことすら俺には火に油を注ぐように羞恥心がどんどん芽生えてきた。
「もーぅ、隼人可愛すぎるッ!」
「男に言われても嬉しくないし、女に言われても嬉しくない」
「なんでそこだけ冷静なんだよ」
「ほら、さっさと話せ」
もう一発蹴りを入れてやった。
「いやーぶっちゃけちゃうと、オレ今まで5人の女とヤッたんけd「ちょっと待て。今、何月だ」
「え?7月だな」
「まだ入学して3ヶ月だ」
「そうだね」
「今まで5人とヤッた?一人一ヶ月だと計算しても2人足りないってことは…」
「んにゃ、オレ小6で童貞卒業したし」
容赦なくまた俺は殴った。
当たり前だ。
またもや先に越された。
いつもなにもかも快はすべて俺よりも先に進んでしまう薄情な奴。
「マジで地に還れ」
「わーひっどーい、隼人きゅん☆」
「☆飛ばすな!マジで果てろ!」
「え?それはどーいう意味で果てれば「死ね」
もういい。こいつと話をしてもラチがあかない。話を戻そう。
「んじゃ、俺でも好きになれねぇーのかよ?」
「うん」
容赦ない即答だった。
別に俺は快のことをそーいう目で今まで意識していた訳じゃなく冗談で言ったがなんか…嫌な感じがした。
「俺でもって、なーに?隼人くん愛されているって勘違いしてたの~?悪いけど、オレそっち系じゃね「いい加減黙れ」
全く、すぐ話を反らしたがる。
自分から出しておいて聞かれたくないのか?
意味が分からない。
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