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あぁ、なんかムカつく。
一瞬あいつに恐怖心を抱いたがそんな考えはすぐに俺の頭からは通り過ぎてしまい怒りへと変化していた。
もうあいつの考えていることが全く分からん。
長年一緒にいたはずなのに、異性とかそういうのではないのに同性だから尚更、快の気持ちを理解できない自分に苛立ちを感じるのと同時に快という人間にも苛立ちを覚えていた。
ああいう解読不能な人間ははっきりいって苦手であり嫌いだ。
一緒にいるだけで苛々する。
でも普段の快がそういう訳ではないのであいつといるのが嫌という訳ではないが、時々ふと見せるその表情に苛立つ。
俺たちはきっと腐れ縁だ。だからこれからも一緒に過ごすことが多いはずだ。
もっと快のことを理解したいし、知りたい。
これは…そう、幼馴染としての責任だと俺はそう思った。
そして、数年が経ち高校生になった今でもその考えは俺は一切変わっていない。
だけど高校生になった今でも快の考えは全く理解できない。
さらに高校2年になった今、好きな人ができたとほざきやがった。
そりゃ、いつかはできると思っていたさ。
だけど中1のときの話を聞いたせいか俺の中で快は一生誰のことも好きにならず俺と一緒にいてくれるとアホなことを考えていたが……ホントに数年で快は変わってしまった。
しかも好きになった人が朝川だ。
異常だと思う。うん。
あいつを好きになる奴なんてそうとう物好きな奴じゃないと無理だと思っていたがまさかモテモテのイケメンである快が好きになったのだ。
朝川……あいつは一体何者なんだろうか……
朝川とは高校で初対面のうえ、クラスも一緒になったことはない。
快もそうだ。
俺と一緒のクラスだが朝川とは同じクラスではない。
一体、なにが理由で好きになったんだ……?
少し、朝川のことを知る必要があるかも。
きっと快のことをもっと知るきっかけになってくれるかもしれない。
俺の頭にそんな考えが横切った。
第2話【END】
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