俺とアイツ

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――キンコーン カーコン 聞き慣れたチャイムが学校中に鳴り響くと先程までチョークを持ち黒板に書いていた先生の動きが止まる。 「ココは今度の試験にも出るからな。復習しておくよーに」 そう言うとサッサと教材を片付けて教室を先生が後にすると周りの生徒もサクサクと次の授業が行われる教室へと移動を始める。 俺もそれに流されるように移動をしようとするが、急に腕を掴まれたことにより動きを止められてしまった。 だが俺は掴んだ奴は誰なのかは顔を見なくてもすぐに分かり、息を吐くと呆れた表情で後ろに顔を向ける。 「隼人、移動だぞ」 「知ってる。だから、今行こうとしただろ?」 「水臭いな。オレが一緒に行ってやるのにー」 「別に。誰も頼んでいないし」 「んだよ、冷てぇ奴だなー」 こいつの名前は秋森 快(アキモリ カイ)。 小さい頃からの幼馴染みだがその事実を知ると周りの友人は絶対と言って言いほど驚く。それはこいつの外見・性格のせいだ。 高校に入学してから髪を赤茶髪に染め、両耳にピアスを開け制服をキチンと着ずにいる所謂チャラ男というものだ。 外見通り授業にはあまり出ないサボり魔で、くる者拒まずの女たらしで常に試験は最下位で有名だった。かと言って俺はこいつの真逆と言ったら大袈裟かもしれないが髪は茶髪だがちゃんと毎回授業は出て俺は高1・2と皆勤賞をとっているし、試験は常に上位だ。 そのせいか俺たちが幼馴染みと知ると驚かない奴がいない。先生でも驚くのだ。 まだ高校入学したての時はいじめられていないか?とよく聞かれたものだった。 「はぁ~」 「ん?溜め息吐くと幸せ逃げちゃうぞ。オレ様のようにな!」 自信満々に言われても……… 「また彼女と別れたのか…」 「察しがいいなーさすが親友」 「腐れ縁と言ってくれ。で、原因は?」 「いやー今回はお互い冷めた感じ?」 「珍しいな。いつもヤらしてくれないのが原因でお前から切り出すじゃねぇーか【ヤりマン】のくせに」 「いやーオレ好きな人ができちゃってさー♪」 「へぇー……………はぁあ!?」 「そこまで驚くなよ~恥ずかしいじゃないかw」 驚きのあまり俺は手に持っていた教科書を全部落としてしまった……… .
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