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「隼人~」
「キモい。お前は授業にでも出てろ」
「なんだよ~冷たいなぁ。んで、協力ヨロシクな」
「はぁ?勘弁して」
「頼むよーぉ。そしたら女紹介するから…」
「生憎そこまで出会いには困っていませんから」
「うわっ……快、悲しい…」
「…………」
気持ち悪い…
ホント、気持ち悪い…
いや、俺じゃなくてこいつが。
今までこんな快を見たことがない。
朝川の一体どこが良いのだろうか…?
「朝川のどこがいいんだ?」
「え~言ったら、お前が惚れるだろ~」
「果てろ」
「真面目に内緒」
そう言った快の表情は珍しく真剣だった。
なんか、悔しいという気持ちが俺の中で走った。
たぶんこいつが先に真面目に好きな人が出来たからだ。
相手が誰であろうと自分が好きだという人を先に見つけられて悔しいのだ。
俺だって早く相手を見つけたい。
でもココで協力しないっていうのはなんかさらに悔しい。
快に俺が悔しいと思っていることをバレたくないからだ。
それになんだか逃げる感じがするし…
「分かった」
「へ?」
「俺が朝川にお前のアピールすればいいんだな?」
「そうそう!俺のことが好きになるようにヨロシク!」
「へいへい。だから、もう授業に…」
「うりゃ!」
「うわっ!!!」
すると急に快は俺のオデコになにか投げてきた。
冷たい…そう感じた瞬間、驚いたが何を投げたのかすぐに理解した。
「ほれ、頭冷やせ」
「ヒエピタは普通貼るものだろーが」
「投げて貼ったじゃん☆」
「アホか。……まぁ、サンキュ」
「………」
「ん?どうした?」
「ん?いや~隼人ってツンデ「てめぇ、それ以上言ったら殴るぞ」
「はいは~い。んじゃ、俺授業に出てくるねー」
バイバーィと快は俺に手を振ると彼なりの優しさか静かに保健室をあとにした。
やっと静かになり、俺は本当に寝ることにした。
熱のせいかすごく眠たかった。
快が出て行ってたぶん、1分も経たないうちに俺の重いまぶたが閉じた。
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