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「チーフ、遅いですよ」
振り返るとスグ後ろに若い女性が立っていた。
樋山高菜。
日本では数少ないCSIの女性メンバーだ。
科学技術で彼女に勝てる人間は日本にはいない。
「どうせどっかで飲んでたんだろう」
からかうように現れたのは
磯山大胡。
日本のバイオ捜査官第一人者だ。
彼の使う言葉にはわけのわからない単語が並ぶ。
大胡の後ろからのそっと男が現れる。
「やぁ、聡明」
梨夜聡明。
行動分析官。いつも犯人はお前じゃないかと思うほど的確に人物像を言い当てる。
「…どうも…。清さんはもう仕事始めてますよ…」
淀清蔵。
検死官。私より年上だが足の軽さには舌を巻く。
私より後に現場に来たところを見たことがない。
周りから見たら「優秀」の文字しか当てはまらない彼らを統括するのが何の取り柄も無さそうな私なのだ。
周囲が私を見る目は冷ややかだ。
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