一話 上野 空と仲間たち

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 休憩時間、僕は昼食をとりながら、恋から説教を受けていた。 「だから、いつも言ってるでしょ。 もっと、当り障りない発言してって」 「そんな怒るなよ~」 「あ~ぁ、しょうがないか」 僕の力のない声に、怒る気も失せたようだ。 「空と話してると、怒るのも馬鹿らしくなるよ」 恋の笑顔に戻る。  「で、今日は何で遅刻したの?」 「今日は、ホントいい天気だね」 僕は、外に視線を送り言った。 「お~い! 人の話聞いてますか~?」 恋は、僕の顔を覗き込む。 「天気よかったからさ、公園のベンチで日向ぼっこ」 ゴッ! 本日、早くも二発目の拳は肩越しにヒット。  「人が真面目に話してんのに」 「いや、こっちも大真面目だって」 「はぁ~(こいつは)。 緩過ぎでしょ」 呆れるのを通り越したのか、恋はまた笑っている。 「でもさぁ、そういう世間に流されないとこが、空のいいとこでもあるんだけど。 …って、人の話聞いてないし」 「えっ、何?」 僕は、食事に夢中だった。 「もう、何でこんな奴、好きんなったんだろ」 「え?」 ゴッ! 「ウゲッ」 「二度も言うか!」 本日三度目のグーは、見事ミゾオチに入った。
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