65人が本棚に入れています
本棚に追加
休憩時間、僕は昼食をとりながら、恋から説教を受けていた。
「だから、いつも言ってるでしょ。
もっと、当り障りない発言してって」
「そんな怒るなよ~」
「あ~ぁ、しょうがないか」
僕の力のない声に、怒る気も失せたようだ。
「空と話してると、怒るのも馬鹿らしくなるよ」
恋の笑顔に戻る。
「で、今日は何で遅刻したの?」
「今日は、ホントいい天気だね」
僕は、外に視線を送り言った。
「お~い!
人の話聞いてますか~?」
恋は、僕の顔を覗き込む。
「天気よかったからさ、公園のベンチで日向ぼっこ」
ゴッ!
本日、早くも二発目の拳は肩越しにヒット。
「人が真面目に話してんのに」
「いや、こっちも大真面目だって」
「はぁ~(こいつは)。
緩過ぎでしょ」
呆れるのを通り越したのか、恋はまた笑っている。
「でもさぁ、そういう世間に流されないとこが、空のいいとこでもあるんだけど。
…って、人の話聞いてないし」
「えっ、何?」
僕は、食事に夢中だった。
「もう、何でこんな奴、好きんなったんだろ」
「え?」
ゴッ!
「ウゲッ」
「二度も言うか!」
本日三度目のグーは、見事ミゾオチに入った。
最初のコメントを投稿しよう!