一話 上野 空と仲間たち

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 そんな、じゃれあう(?)時代を経て、今にいたっている。 なぜ、会社まで同じなのかは不明。  「あ~、今日も一日頑張ったな」 「遅刻したんだから、半日でしょ」 昔と変わらず現在も、ほとんど恋と一緒に帰っている。 「あぁやだやだ。 細かい細かい」 ゴッ! 「人を小姑扱いしない」 恋は、とにかく手が出るのが早い。  僕はフと思う。 「何で、いつも一緒に帰ってんだっけ?」 「誰が? (もしかして、打ち所が悪かった?)」 「僕と恋」 今になって、投げ掛けられた疑問に、恋は動揺(?)を見せた。  「え? あ、あの…ただ帰り道が一緒だからじゃない?」 「そっか」 疑いなしに納得。 基本的には、何でも信じる性格の僕。 「うん。 (こいつ、どんだけ鈍感なんだよ)」 そして、どす黒い恋。 ガハッ。  帰り道以外にも、一緒に遊びに行ったり、毎年お互いの誕生日も祝う仲。 が、僕に付き合ってるという感覚がなかった。 ずっと一緒にいるのが、当たり前になっていたからかもしれない。
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