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「今…何をしていた?」
綾瀬はベットを叩きつける俺の姿を見て、不審に思ったようだ。
…まぁ当然か。
俺は「葛藤してた」と答えた。
「葛藤?」
綾瀬は俺を可哀相な物を見るような目で見た。
「何かあったのか?」
色々とな。
「私でよければ聞こうか?」
聞いてくれるのか?
じゃあ言わせてもらおうかな。
綾瀬が屋根の奥の方へ歩いて行ったので、俺も屋根に下りて綾瀬の方に歩いて言った。
屋根の上からは周りの景色が一望出来る。
この寺、いい所に建ってるからな。
いい所って言っても山の上だけどね。
綾瀬が座っていたので、俺は隣に座った。体育座りで。
「それで? 何があったんだ?」
「えーっと…」
俺は倉で起こった事を綾瀬に洗いざらい話した。
炎狼牙の事。
この世界とは違う世界が存在していること。
俺が今何故だか決断を迫られているということ。
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